外国人が日本で起業する4つの方法を詳しく解説

このページでは、外国人が日本で起業する4つの方法をご紹介しています。一つずつ分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

外国人が日本で起業する4つの方法

まず初めに、外国人が日本で起業する4つの方法を確認していきましょう。4つの方法は以下のとおりです。

 

1.短期商用ビザで本国と日本を往復する

2.日本に駐在員事務所を設置する

3.日本支店を設置する

4.日本法人を設置する

 

では、一つずつ詳細を見ていきましょう。

1.短期商用ビザで本国と日本を往復する

一つ目の方法は「短期商用ビザで本国と日本を往復する」という方法です。短期商用ビザとは、一定期間が過ぎれば本国へ帰ることを前提に発行されるビザです。

この方法の場合、経営管理ビザの取得は必要ありません。

通常、短期商用ビザの有効期限まで日本に滞在し、日本で市場調査や商談などを行います。※短期商用ビザの滞在日数は90日・30日・15日となっています。

 

ここで、短期ビザで行えることを確認していきましょう。

(短期ビザで行えること)

・見学・視察目的で日本に滞在すること

・企業が行う講演会や説明会へ出席すること

・会議・式典へ出席すること

 

<注意点>

短期商用ビザを取得するためには以下の3条件を満たす必要があります。

・給与などの報酬を渡さないこと

・労働と判断されない活動を行うこと

・受け入れ先の企業が対価を得ないこと

2.日本に駐在員事務所を設置する

二つ目の方法は、「日本に駐在員事務所を設置する」という方法です。これは、日本で本格的に事業を行う前段階として、市場調査や情報収集などを行うという方法です。ここで注意しなければならないポイントは、“駐在員事務所で営業活動はできない”ということです。要は、稼いではいけないということです。

では、どんな活動ができるか確認していきましょう。

 

駐在事務所でできる活動

・本国会社への情報提供

・広告や宣伝

・市場調査、基礎研究

・商品の仕入れ

 

このように、駐在員事務所では収益を上げる活動が禁止されています。そのため、何か手続きをする必要はなく、すぐにスタートすることができます。この手軽さがメリットなのですが、その反面、駐在員事務所の名義で銀行口座の開設などはできませんので注意しましょう。

3.日本支店を設置する

三つ目は「日本支店を設置する」という方法です。日本支店とは、外国企業の日本での活動拠点のことで、もちろん日本で本格的な事業をすることができます。ただし、日本支店を設置するためには、少なくとも以下の手続きをする必要があります。

 

・日本における代表者の選任の登記

・支店の登記

・税務の申告

 

支店は、あくまで外国企業の一部として見なされるため、外国企業が決定したことに従って事業を行います。ただし、支店の名義で銀行口座を開設することや不動産の貸借などは行うことができます。支店の代表者は経営管理ビザか企業内転勤ビザを取得することができます。

4.日本法人を設置する

四つ目は、「日本法人を設置する」という方法です。この方法が一番「日本で起業する」というニュアンスに近いかと思います。要は、株式会社として日本に本店を設置し、日本の会社として事業を運営することです。

会社を設立する場合、合同会社や株式会社など様々な選択がありますが、社会的信用を考えると“株式会社”が一番おすすめです。

 

また、代表取締役は「経営・管理ビザ」の取得が必要になります。]

 

ではここで、株式会社の設立から経営管理ビザを取得するまでの流れを見ていきましょう。

株式会社の設立から経営管理ビザを取得するまでの10ステップ

流れは以下のとおりとなっています。

 

1.会社の概要を決定&商号調査

→ 事業の目的や本店の名前や場所を決定し、事前に同じ商号がないか法務省で確認します。

2.会社実印の作成

→ 代表取締役印・角印・銀行員の3種類の印鑑を作成しましょう。

3.個人の印鑑証明書の取得

→ 会社設立にかかわる発起人の印鑑証明書を取得します。

4.定款の作成&認証

→ 会社の基本ルールを作成し、公証人の認証を受けます。

5.出資金の払い込み

→ 発起人が出資金の払い込みを行います。

6.登記申請

→ 法務省で会社設立登記を行います。

7.各省庁への届け出

→ 税務署で給与支払い事務所等の開設届けの提出を行います。

8.事業開始の準備

→ 店舗の準備や商品の仕入れなど、事業が開始できるよう準備を整えていきます。

9.従業員の募集

→ 従業員を雇用する際には、雇用保険や社会保険の手続きも必要です。

10.経営管理ビザの申請&許可

→ 入国管理局へ「経営管理ビザ」の申請を行います。約3ヵ月の審査期間を経て、許可・不許可が決定されます。

 

ちなみに、株式会社を設立する際に必須の「経営・管理ビザ」ですが、経営管理ビザを取得するためには、以下の3つの条件を満たさなければなりません。

1. 事業を行うための事業所が確保されていること

経営管理ビザ申請前には、事業を行うための場所を確保している必要があります。原則として、自宅とは別の場所に独立したオフィスを構えなければなりません。また、契約期間の目安は2年以上です。

2. 2人以上の日本に在住するフルタイム社員がいること

日本に居住するフルタイム社員を2人以上雇う必要があります。ただし、もし2人以上雇うのが厳しい場合、事業に500万円以上の投資をすることで解決できます、

3. 事業が安定していて継続性があること

事業の安定性・継続性は一番重要な条件です。申請する際には、事業の安定性・継続性を証明するための「事業計画書」の提出が必須になります。事業計画書には、事業内容や経営プラン、資金計画などを明確に記載する必要があります。

なかなかステップが多いですが、株式会社を設立するのは結構大変なんです。もちろん、一生懸命準備を進めて経営管理ビザを申請しても、許可が下りないこともあります。そのため、まずは営業活動ができるよう、「経営・管理ビザ」を取得できるようにすることが大事です。

まとめ

今回は、外国人が日本で起業する4つの方法をまとめてみました。

最後にもう一度確認していきましょう。

 

1.短期商用ビザで本国と日本を往復する

2.日本に駐在員事務所を設置する

3.日本支店を設置する

4.日本法人を設置する

 

様々な方法がありますが、これから日本で本格的に事業を行っていくのであれば「日本法人を設置する」ことをおすすめします。一番ハードルは高いですが、その分事業を行える幅が広いです。本当に起業したいなら、ぜひ経営管理ビザ取得を目指してみてくださいね。