経営管理ビザで資本金500万円が必要は間違い?

経営管理ビザを取得する際に、よく「資本金は500万円以上ないとダメ」という話を聞きませんか?しかし厳密に言うと、これは間違っています。

 

そこでこのページでは、なぜ間違っているのかという理由や、資本金500万円を集める際のポイントなどをお伝えしていきたいと思います。“資本金500万円は絶対必要”だと思っている方の参考になれば幸いです。

資本金500万円が必要は間違っている?

なぜ、経営管理ビザを取得するためには“500万円以上の資本金が必要!”と言われているのでしょうか?これは、経営管理ビザ取得の条件を見ると答えが見えてきます。

 

経営管理ビザを取得するためには、「2人以上のフルタイム社員を雇っていること」という条件があります。しかし、“今から日本でビジネスを始めよう!”という人たちにとって、2人のフルタイム社員を雇うことは結構ハードルが高いですよね。そこで、新規事業を開始する場合には、事業に投資されている額が500万円以上あって、その後も継続的に投資することが確認できるのなら、2人以上のフルタイム社員を雇っている会社と同等と見なしますよ~!ということになったのです。逆に言うと、2人以上のフルタイム社員を雇っていれば、500万円の資本金は準備しなくてもいいんですよ!

 

とても簡単に説明すると、500万円の資本金 = 2人以上の社員(どちらか満たせばOK)

ということなのです。

 

ちなみに、500万円を投資すべきところは以下のとおりです。

・事業所の確保

→ 事業を運営するための場所を確保するための費用

(2年以上が目安:短すぎると“事業を継続する気があるのか?”と疑問に思われる)

・雇用する従業員の給与等

→ 常勤・非常勤関係なく、従業員に支払われる報酬にかかる人件費

・その他

→ 会社に置いておくべき事務機器を購入するための費用

 

何となくお分かりいただけましたか?“2人以上雇うのはちょっとキツイな…”という方に“500万円の資本金を用意することで2人以上雇わなくてもいいですよ~”と言っていたのが、段々と“500万円必須!”みたいに捉えられてしまったのかもしれませんね。

 

ただ、事業を始めるのであれば、やはりまとまったお金は必要です。結果として500万円以上になってしまうかもしれませんが、今のところ経営管理ビザ取得の必須要件ではありません。

資本金500万円を用意する際のポイント

さて、500万円の資本金を準備することも大事なのですが、それ以上に重要なことがあります。

 

それは、“その500万円のお金をどのように用意したのか”ということです。自分の貯金から資本金を出すのであれば、“どうやって貯めたのか?”、親などに援助してもらったのであれば、“なぜ500万円もの大金を援助してもらうことができたのか?”“それは本当に親のお金なのか?”ということを明確に記載して立証していく必要があります。

 

何だか面倒くさいな…と思うかもしれませんが、日本側の立場で考えると、不正な手段で資金を形成している名ばかり経営者にビザを与えたくはないですよね。だからこそ、経営管理ビザを取得するためには“出資金の出所”を明確に説明することがとても重要なのです。※出資金の出所は事業計画書に記載しましょう。

 

資本金の持ち込み・送金について

ここまでで、資本金を用意する際のポイントはご理解いただけたかと思います。ここからは、資本金の持ち込みや送金などについてもお伝えしていきたいと思います。

解説するのは以下の2パターン。

 

1.海外から直接現金を持ち込む

2.海外から日本の銀行に送金する

 

では、それぞれ詳細を見ていきましょう。

1. 海外から直接現金を持ち込む

日本の銀行口座を持っていない場合、海外から直接現金を持ち込むのが一般的ではないでしょうか。

 

1回で資本金すべてを持ち込む場合もあれば、数回に分けて持ち込む場合もありますよね。しかし、ここで注意してほしいのは、日本では100万円以上の持ちだし・持ち込みの場合、税関に申告する必要があるということです。“そんなの分かってるわ!”と思うかもしれませんが、中にはお金をスーツケースに入れて申告せずにそのまま通り過ぎてしまう人もいるんです。

 

だからこそ口を酸っぱくして言いますが、これは非常に危険な行為です。違法に当たるため、後々の審査で間違いなくマイナスに働くでしょう。

 

また、日本の場合は100万円が基準となっていますが、他の国では基準が違う場合もあります。例えば中国の場合、20,000元(日本円で32万円)を超える持ち出し・持ち込みは、原則不可能となっています。なかなか厳しいですよね。しかし、外貨であれば5,000USDまで持ち出すことができます。(それ以上は要申告)

2. 海外から日本の銀行に送金する

税関での申告の必要がなく、一番簡単な方法が「送金」ですよね。銀行によって手数料は異なりますが、だいたい送金手数料3,000円・受け取り手数料1,500円程度となっています。

 

ちなみに、海外から日本へ送金するためには日本の銀行口座を持っている必要があります。すでに法人設立している場合は問題ないのですが、まだ会社を設立していない状態でビザの申請をする場合は、日本の銀行口座を持っている人に代表取締役になってもらわなければなりません。

 

例えば、以下のような人たちです。

・日本人

・永住者

・既に「経営管理ビザ」を取得している外国人

・日本人の配偶者

・永住者の配偶者

・定住者

 

現金を持ち込むのが面倒くさそうだな…という方には送金をおススメしますが、自分が今どのような状況か(すでに会社を設立しているのか今から事業を立ち上げるのか、日本に上記に当てはまるパートナーがいるのかいないのか)を把握した上で、適切な方法を選ぶことが大事ですよ!

まとめ

今回は、なぜ“500万円が必要!”と言われているのか、海外から日本へのお金の持ち込みや送金などについてお伝えしていきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

ここはかなり重要なポイントなので、もう一度確認しておきましょう。

2人以上のフルタイム社員を雇っている場合:資本金500万円は必須ではない

2人以上のフルタイム社員を雇っていない場合:資本金500万円は必須

 

これでしたね!社員か資本金か、どちらが達成しやすいかご自身で検討しながら申請を進めてくださいね。