外国人が会社を設立した後の銀行口座のスムーズな開設方法

会社を設立した後は、取引をするための銀行口座を開設する必要がありますよね。しかし、このページにたどり着いたということは、

“銀行口座をどうやって開設すればいいの?”

“開設するときの注意点は?”

と、疑問がいっぱいなのではないでしょうか?

 

そこでこのページでは、外国人が会社を設立した後の銀行口座のスムーズな開設方法や、開設前にチェックしてほしいポイントなどを分かりやすく解説していきたいと思います。ぜひ、参考にしていただければと思います。

法人銀行口座を開設するために必要な書類

まず初めに、開設する際に必要な書類を確認していきましょう。

日本で銀行口座を作るために必要な書類

・法人登記簿謄本

・法人の印鑑証明書

・会社の定款の写し

・法務局へ届け出た法人実印(銀行に持参)

・銀行印として使用する法人の印鑑

・代表取締役の身分証明書

これらを用意できれば、ようやく申し込み段階に入ることができます。

要チェック!口座開設を断られる3つの原因

上記の書類を用意すれば口座開設の申し込みをすることができますが、当然、口座開設を断られる可能性もあります。では、断られる場合は何が原因なのでしょうか?スムーズな申し込みができるよう、事前にチェックしておきましょう。

 

原因1:事業を行う事務所の実態がない場合

「経営・管理ビザ」の条件にも含まれているのですが、口座開設を申し込む前に、事業を行う事務所を確保しなければなりません。原則として、自宅とは独立した場所にオフィスを構える必要があります。(自宅兼オフィスの場合は、1階と2階など明確に区別されていることが重要)申し込みの際に賃貸契約書を提出する場合もあるため、バーチャルオフィスなど事務所の実態がない場合は口座開設を断られる可能性があります。

 

原因2:資本金が少なすぎる場合

法律上は、資本金1円で会社を設立することが可能です。しかし、資本金の金額があまりにも少なすぎる場合は口座開設を断られる可能性があります。取引する顧客としても、資本金が少ないすぐに倒産しそうな会社と取引はしたくないですよね。そのため、ある一定の金額以上の資本金が必要になります。目安として、最低100万円の資本金を用意しましょう。

 

原因3:事業内容や事業の目的が不明瞭な場合

どんな事業を行っているのか分かりにくい、または目的があやふやな場合、口座開設を断られる可能性があります。そのため、「目的が明確な事業を行っている」ということが分かるよう、サービス内容が記載された資料などを用意しておくと申し込みがスムーズにできるでしょう。※審査期間はおよそ1週間~2週間です。

【法人銀行口座を作る際に確認したい2つのポイント】

ここまでで、口座開設を断られる原因を把握できましたね。では次に、法人銀行口座を開設する際に確認してほしい2つのポイントをご紹介していきたいと思います。

“また確認しないといけないの?”と思うかもしれませんが、法人口座は個人口座とは全然違います。無計画に開設すると後で後悔すると思いますので、必ず確認しておいてください。

ポイント1:取引はネットだけ?それともネット+実店舗?

一つ目は、「どこで取引をするか」ということです。現在は、ネットだけで取引が完結する銀行がたくさんあるため、ネットバンクをメインで利用することもできます。

 

逆に“ネットだけでは不安…実店舗でも取引をしたい!”という場合は、店舗数の多いメガバンクで開設するのがいいでしょう。

ここで、法人に人気が高い「住信SBIネット銀行」「楽天銀行」の特徴をご紹介していきたいと思います。

  住信SBIネット銀行 楽天銀行
口座維持手数料 無料 無料
他行振込手数料 165円~258円 168円~262円
法人口座
個人事業主口座 ×
デビットカード機能 〇(法人のみ)

 

メガバンクの場合、ネットバンキングの口座維持手数料で毎月2,160円もかかるため、ネット取引だけで十分なのであれば、ネットバンクを検討してもいいかもしれません。ただし、社会保険などの引き落としができないなどのデメリットもあるため、ネット銀行以外の銀行と組み合わせて活用するという手もあります。

ポイント2:事業を運営する上でどんな口座が必要?

会社を設立した後は、様々な用途の口座が必要になります。例えば以下のような口座です。

・入金用口座:顧客に振り込んで頂くための口座

・支払い用口座:経費や社員の給料などを振り込む口座

・返済用口座:事業の融資を受けた場合

・定期積立口座:税金や事業に投資するためのお金を積み立てるための口座

一つの銀行口座ですべて行ってもいいのですが、やはり、“いくら支払っていくら入金がされたか”を分かりやすくするためには、用途別で口座を分けた方がいいですよね。

 

ここでは、用途別で口座を開設する際の注意点をそれぞれお伝えしていきたいと思います。

入金用口座

入金用口座は、三菱UFJ銀行や三井住友銀行などのメガバンクの利用がおすすめです。なぜかというと、お金を入金するお客様が安心感を抱きやすいからです。口座維持手数料はかかりますが、事業への投資と思ってメガバンクの口座を開設しましょう。

支払い用口座

支払い用口座は、事業で使う経費や社員への給料の支払いを行うための口座です。手数料などを考慮すると、これはネット銀行で開設してもいいでしょう。もちろん入金用口座と同じでもいいのですが、その分割高な手数料が発生してしまいます。

返済用口座

事業への融資を受ける場合は、返済日や金額を管理できるよう返済用口座の開設もおすすめします。ここでの注意点は、日本政策金融公庫の融資はネット銀行に対応していないということです。そのため、返済用口座もメガバンクなどの実店舗がある銀行で開設する必要があるでしょう。

定期積立口座

必ず作ったほうがいいというわけではないですが、税金や事業へ投資するお金を定期的に積み立てることはとても重要です。定期積立口座は、毎月強制的に指定の金額が積み立てられるため、資金の管理がとてもしやすいことがメリットとして挙げられます。また、事業の継続性という観点からもメリットしかないため、できれば定期積立口座も作った方がいいでしょう。

まとめ

今回は、法人銀行口座をスムーズに開設する方法や注意点、事前に確認するべきポイントなどをご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

正直、法人口座の開設は個人口座に比べて審査が難しいです。焦って断られないよう、時間に余裕を持って開設の準備をしてくださいね。